文武両道
稽古の際、子供たちに「文武両道」についてたまに話しています。
昔の武士たちの生活は、武芸だけでなく学問も重視されており、特に江戸時代の武士は、武芸と学問の両方を習得することが基本的な教育とされていて、この文武両道の精神は、武士の家庭での教育において非常に重要視され、幼少期から教えられていたようです。そんな経験をもとに、私の場合は「何が良かったのか?」について書いてみます。
ところで、現代では多くの習い事や塾が存在し、保護者の皆様にも、子供たちにも、非常に良い環境に恵まれています。
所謂、その分野の専門家に任せるということですね。
私の子供の頃の塾といえば「そろばん」と「習字」くらいしかなかったような気がします。(もしかすると他にもあったかも?笑)
あとは学校と道場に通い、遊びといえば友達と山の中を駆け回ることでしたかね?(笑)そんな少年期でした。
ここまでだと、何か、ただの元気で活発な子供みたいですよね。
ただ、そんな私も、ちゃんと大学に進学できました。(笑)
まず、武道で得られる良い点についてですが、(しっかり学べば)集中力は飛躍的に向上すると思います。
これは、現代で言う、例えば子供たちが好んでいる「ゲーム」などで求められる集中力とは異なるものです。
簡単に言うと、ゲームは非現実的な架空の世界の物語であるため、脳の使い方が異なります。 おそらくお分かりかと思いますが、武道で培う集中力は現実世界に根ざしているため、実際には学問や芸術にも影響を与えるのです。
もうひとつは、環境です。 普通は子供が遊んでばかりいると、「勉強しなさい!」と、つい言ってしまいますよね。(汗) そのお気持ち、よく理解できます。 しかし、「勉強しなさい!」と言っても、「はい!」と前向きに返事をする子供はなかなかいないものです・・・。 本当に悩ましくて困ってしまいますね。(苦笑)
私と母親の場合は、少し違いまして、良いのか悪いのか?
叱られることと言えば、山から蛇を捕まえて帰った時、蛇が苦手な母から「ぎゃー!捨ててきなさい!」と言われたり、同じように武道を習っている姉がいたのですが、姉弟喧嘩になると、室内では必ず何かが壊れてしまうので、「外でしなさーい!」と言われたり、そんなことばかりで叱られていました。(笑)
とはいえ、まったくの無関心ではなかったようで、実は後になって分かることですが、父も母も、「勉強をさせる。」という概念ではなく、「勉強を自分からするきっかけを作る。」ことに工夫をしていたようです。 もちろん、すぐに効果が現れるわけではありませんが、父は武道を通じて集中力を育てさせ、遊びたい時には遊ばせ、勉強に対する「苦手意識」を取り除くための方法を考えて実践していました。
そして母は、その父に任せていたようです。
今では、そんな環境で育ったと感じています。
余談ですが、私が英語が得意になったきっかけは、私が中学生の頃、姉の親友だった子が、よく家に遊びに来ていたのですが、その子は外国人のクオーター?だったのか、顔立ちもとても綺麗で気さくな子でして、所謂、私の初恋の相手です。(笑)
そんな姉の親友に、英語を教えてもらう機会があったのですが、ドキドキして、そこからはもう(英語が上手くなって一緒に会話したい!)のモチベーションの拍車が掛かりましたね。(笑)
そのドキドキのお陰で、高校2年生の時、英検準1級を満点で合格した奇跡をおこしてしまいました。
こう思い出してみると、可能性は無限大で、いつでもどこにでも転がっているものです。
合気道の技を教えることだけでは、例えばですが、勉強を教えるだけの塾と同じだと感じます。
塾も昔に比べて、現代ではメンタルのモチベーションを向上させる工夫がされているところもありますよね。
私がこれまで学んできた良いと思えることや、実際に経験して得たものを、合気道を通じて文武両道から得られるものとして教え、合気道の稽古が学問の妨げにならないように両立できるよう工夫しています。
せっかく出会えた子供たちや、お任せくださるお父さんお母さんたちに、私の経験を活かしてお応えできればと考えています。 今は、全力でそのような指導ができればと思っています。