今年も後僅かですね。
先日、私の師範が訪問されました。
少年部の活動を見ていただき、大変高く評価されました。「ここまで育ててくれましたね。私が見てきた少年部の中でも特に素晴らしい成果です。」とお褒めの言葉をいただき、恐縮するばかりでした。
とはいえ、これは私の力だけではなく、子供たちの努力とご家族の理解と協力によるものです。
今年も本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
子供たちの中には目覚ましい成長を遂げている者もおり、周囲も良い影響を受けて頑張っています。
そのような光景を見て微笑ましく思い、「よし!」とつい高段者の技を教えてしまうこともあります。(笑)
良いことばかりの話ですが、最近少し気になることも出てきました。
上級生に新しく入った子供たちの稽古の相手をさせることがありますが、上級生の中には本当に親身になって教えている子もいれば、相手に対して少し乱暴になったり、見下すような態度を無意識に示している子も見受けられるようになりました。
実は、これは合気道においてもよくあることで、一般的にも見られる現象です。
要するに、【稽古に慣れてくると同時に、個々の性格が表れる。】
性格の良い面が出てくれれば良いのですが、人間は誰しも長所と短所を持っていますので、少しのズレがあると、いわゆる悪い面が出てしまい、自分は優れていると過信してしまうことがあり、自分では気が付かずとも相手を見下すような態度が生まれるのです。
一般の場では、高段者の年配者が(どうだ?すごいだろ?)と得意げに技をかけ、下の者は遠慮することがあります。
年功序列が色濃く残る合気道道場も、残念ながら存在しているようです。
もちろん、私は実力主義を重視しているため、そのような無意味な過信がもしもあれば厳しい姿勢で臨んでいます。
子供たちは成長する過程で、さまざまな思考を巡らせる時期に差し掛かっている可能性があります。 ご両親は子育ての専門家であるため、そのことを十分に理解されていることでしょう。 稽古においても、妥協することなく叱咤激励や称賛を交えながら、子供たちに対し真剣に向き合います。
先日、次のようなことを教えました。
「相手と向き合う時や技をかける時には、親が子供の手を優しく握り、一緒に歩いているような感覚を、自分なりに思い浮かべながらやってみましょう。」
私はこれこそが、合気道の基本的な動きだと考えています。
勿論、それだけでは実際の役に立たないため、「柔」の中に「激」を秘めることが重要であり、そこで初めて真の体術の理想を実現化できるのですね。
少々難解なことを述べてしまいましたが(苦笑)
子供たちには、何事にも負けない自信を持ってもらいながら、それが過信に繋がらないよう見守り、学ぶことの重要性と謙虚な心を育て、強く優しい人間に成長してほしい。
私自身が、そのような子供たちの成長に寄与できる、ひとつのきっかけになれたらと願っています。