強靭な精神力
毎年恒例の演武会も無事終わりました。
子供たちにとって大事な行事ですので、当日までの稽古で怪我とか体調不良とか、それだけは無いようにハラハラしながらの毎日でした。(笑)
今回も個人の級レベルは無視して、各々のやりたい技や状況を見て、技の完成度よりチャレンジ精神で難易度も高い技などに挑ませました。
結果は、何を何を!思った以上の出来でした!
何より子供たちの清々しい(楽しみながら)の演武が、緊張の中にも表情にも出ていましたし、時には上手くできなくて悔しがっていて、それこそ【向上心】の現れもありますので、そんな子供たちを見ていると(ああ・・・良かった・・・。)と本当に安堵しております。
稽古中でも子供たちの表情を必ず見ています。
(一生懸命やろうとしているか?嫌々やっていないか?飽きていないか?)などなど。
武道の道場ですので遊びにしてもいけませんし、されど押し付けのような一方的な指導でもいけません。
勿論、集中していなかったり、ふざけたりしていたら(油断は怪我の基)とも言いますし、それに一生懸命稽古をしている他の子供の為にも心を鬼にして厳しく叱ります。(苦笑)
そんな難しい創意工夫をフル回転しながらの指導です。
しかし、これがまったく苦にもならず、逆に私も子供たちから学ぶ事も多々あります。
そんな子供たちにはいつも感謝しております。
ところで、つい先日、合気道の全日本大会のために東京へ行ってきました。
東京在住で合気道をされている夫婦の方が居られるのですが、東京遠征の際、ありがたい事にガイドを務めてくださいました。
奥様が地元出身の方で、帰省の際は、ご夫婦揃ってこちらの道場にも来てくださります。
旦那さんが東京の道場で私と同じように少年部の指導をされているそうで、こちらの少年部の稽古を実際に見ていただき共感してくださり、私に色々とアドバイスを求めてきたり、奥様は「子供たちが初対面の私たちに、元気な声で「こんばんは!」と挨拶してくれて感激しました!」と大絶賛してくれたりと、「いやいや・・・汗」と言いつつも私の顔も緩みっぱなしでした。(笑)
人の良いと思った部分を素直に認める事。
とても良い事ですよね。
合気道に関連付けて話しますと、相手を認めれない。=向かってくる相手を拒絶してしまえば、合気道にはならない。
例えるならば、「硬い物(否定的)と、硬い物(否定的)がぶつかれば、どちらも壊れます。」そんな意味合いな感じでしょうか。
本来、合気道は(まず相手を受け入れ、相手に合わせる事。)=これこそが柔軟心であり、(そこからどうするか?)の武道であり、だから合気道の理念である「相手と争わない。」は、ここから来ているのかも知れません。
これこそが、静なる精神力でしょうか。
しかし、そんな理想(肯定的)ばかりが通じない場合もあります。
(自分の大切なものを守る為にも、断固として跳ね除ける激の精神力。)
自分の信念であったり、大切な人であったり、何があっても守らなけばいけない時もあるかも知れません。
静と激、私の武道家精神はそんなスタンスを理想として、人生観にも影響しています。
子供たちが成長し大人になったら、様々な困難に直面する事もあるでしょう。
そんな時にでも、今の純粋で素直な心を保ち、そして強靭な精神力を兼ね備えた【心優しい人】になってくれるように。
稽古を通して、少しでも子供たちへの手助けができればと常に願っております。