正座と丹田の関わり。
少年部の今月の目標が、「丹田を意識して技をする。」と発表がありました。
ちょっとビックリしました。(笑)
子供たちからそんな発想が出るとは嬉しい誤算でした。
そんな子供たちの要望に応えてあげるのも私の役目ですね。
丹田を意識するには、実は「正座」にも大きく関りがあります。
今の子供たちと言うか、若者達もそうですが、自宅で正座をする習慣が無くなって来ましたよね。
椅子やソファーが支流ですし、確かに快適です。
正座の習慣が無い国などほとんどですし、日本特有の習慣だったと思います。
しかし、現代の若者達は昔に比べて正座をすることが少なくなり、その影響でしょうか?スタイルが他国のアジア系のようにスラッとした細身に変わってきたように思えます。
良いようにも思えますが、同時に、猫背や片方の肩の下がった直立でない姿勢の若者も増えているようにも感じます。
では、そんな現代では薄れてきた日本特有の正座について。
【現代社会において、正座は必要ない?】
これは、武道を嗜む者に対しては必要だと言えます。
我道場では、多分、私くらいでしょうか正座に対し特に厳しくしているのは。(笑)
確かに、合気道で言いますと、道着・袴で正座をしている姿は、パッと見て美しく感じますよね。
しかし、これは「見た目が良いから。」と言う理由でさせている訳ではないのです。
余談ですが、例え初対面でも、その人の正座姿で、(この人は相当真剣に修行されて来られたんだなぁ・・・。)とか視れますし、逆に、姿勢が整っていないとても正座と言えない人が大人でも居ます。
合気道では、大体は【技が上手い】から、その人は素晴らしいと評価しがちですが、私は、それよりも、その人の正座を視て判断する事が多いです。
ようは、合気道に限らず、武道の稽古・修行の結果から得る熟練度や、そこから得る物は、その人の正座によって現れると言う事です。
しかし、特に今からの成長期を迎えている子供たちに、根本を間違えた正座の強制は、長時間しますと足への負担になります。
ただ膝を折り座れば良いではなく、頭の先から爪先まで、実はちゃんとやり方がありますし、少しでも間違えると体に逆効果になりかねません。
ですので、正座を教える側にも正しい知識が必要になり、体に負担を掛けるような間違えた正座はNGなのです。
とは言え、現代によく聞かれる「スマホ病」だったり、猫背もそうですが、体に負担を掛ける事を長時間させるのも、あまり宜しくもありませんよね。
ちなみに、胡坐(こざ)あぐらとも言いますが、これは女の子がすると「はしたない!」とか言う方も居るかも知れませんが、背筋をピン!と伸ばした胡座は悪くありません。
学校などでさせていた【体育座り】の方が、遥かに体に負担を掛けています。
そんな正座には、武道に必要な丹田呼吸に大きな繋がりについてなのですが、正座をする事により、人体にある【仙骨】をしっかり立てる。=整える訓練になります。
仙骨って何?となりますが、仙骨は簡単に言いますと、丹田を支える骨と言えば分かり易いでしょうか。
他の国に比べて小柄の日本人ですが、実は頑丈で凄い身体能力を兼ね備えている人種とも言われていましたし、そこに貢献しているのが、昔の武士や武道家の正座習慣が関与しています。
そして、武道を解して丹田を鍛える事は楽ではありませんが、そこをクリアすると、自ずと
精神が強化されます。
=(イコール)
その先には、威風堂々とした活発な立ち振る舞いであったり、凛とした美しい静かな人柄に繋がって行くものです。
私が子供たちに正座に厳しいのは、正しい本当の正座を稽古で学んでもらい、そこから合気道を学び、精神鍛錬を得て、将来、そんな素晴らしい大人になって欲しいとの願いも込めてでもあります。