後編:螺旋の動き。そしてそこから生まれるもの。
合気道は螺旋のようなものでして、その中心点で瞬時に技を掛け、回りながら縦横無尽螺に動けなければいけない。前回そのように書きました。
何か、とても合気道は難しそうに思いますよね。
でも、実はひとつひとつ分析していきますと、理論的にはそんなに難しくはありません。
色々な要素が含まれている合気道ですが、その中のひとつ【螺旋の動き】について書いてみようと思います。
簡単に例えるならば「手のひらをひるがえす。」ような事でして、腕を目の前で直角にしてみてください。
大きく開いた手のひらを「クルッ!」翻せばお分かりいただけるかと思います。
手を回転させた単純な動き、(え?こんな事なの?)と思われそうですね。(笑)
この動作を体全体で行うのが、体術で言う螺旋の動きみたいなものです。
ただし。
腕と手に比べて、体全体では動く部位が沢山ありますので、脳伝導的にも誤作動が起こりやすいと言う意味で難しいのですね。
以前に書きました自由技と言う練習方法を20本するとします。
連続して違う技をしようとしますので(次はこの技をしよう・・・。)(次はこれをしないと!あわわ・・・・。)と、色々頭で考えながらしてしまいます。
その本数が増えて行くと、考え過ぎてしまって動きが堅くなったり止まったり、それが【ぎこちない動き】になってしまいます。
そんな時、私は「何も考えず(笑)」と教えるのですが、中々皆さん難しいようです。
では、これを滑らかにする為にはどうすれば良いのかと言いますと。
まず第一歩は「姿勢」です。
私も稽古では、「膝!」とか「はい!下を見ない!!」「腰しぃー!!!」と、よく子供たちに檄を飛ばしています。(笑)
正座にも厳しいのは、実は、(体軸が大切なんだよ。)と、その意図があっての事なのですね。
正しい姿勢を無意識にキープできるようになれば、それが自然体になって行きます。
そこから、稽古で学んだ技は頭で覚えるのではなく、体で覚えて行きます。
その動作の繰り返しは、いずれ【凛とした美しい姿】に辿り着くのです。
ちなみに余談ですが、この螺旋の動き、合気道特有と思われそうですよね。
例えば、空手を対象に上げますと、(空手は直線的な動き。)と、螺旋とは無縁と思われそうですが、いえいえ、空手も螺旋の動きです。(笑)
殆どの武道やスポーツなどの【螺旋の動】き、その名称を使う事は少ないのですが、実は結構、あらゆる事に共通しています。
その螺旋を特に大きく表現し、体術としているのが合気道と思って頂ければと思います。
基礎は「姿勢」。
中心点が真っ直ぐでないと、キレイな螺旋は描けません。
そして、姿勢の良さは全てに通じています。
実は、子供たちの中にも、既にその風貌が芽生えそうな子が居まして、見ているこちらも感心しています。
この子供たちが、健やかに育ち、螺旋を通じて【凛とする。】
それこそが、合気道から学んで欲しいひとつなのです。