集団心理。
例えば、清掃活動や募金活動などを一般的に望ましいと思われる行動でも、1人だと不安や恥ずかしさから実行できないことはあると思いますが、これが集団になると実行しやすくなったりします。
このように、1人では行わないことでも集団でなら実行できる(してしまう)といった集団心理の作用は、協力関係が生まれたり、善意の行動が促進されたりするなど様々なメリットをもたらします。
しかし、その半面、行動が過激になったり、冷静な判断ができなくなったりする場合もあり、いじめの発生・維持につながるなどリスクやデメリットも存在します。
合気道の少年部でも、低学年から高学年まで年齢差がある子供たちが集まる集団であるとともに、現代の子供たちの集団行動性は我々の時代とは異なります。
例えば、現代の子供たちによくある言葉使いなど、私にタメ口で話して来る子供もいます。
本当はダメなんでしょうが、私は何とも思いません。(笑)
人によっては「なんだ!その言葉使いは!?」と頭ごなしに叱る人も居ますが、これには集団行動、例えば学校やお友達同士の集まりなども影響しますので、その場で個人だけをきつく叱っても逆効果でしかないように思います。
とは言え、言葉使いや礼儀は、本人たちにも今後大切な事になって行くのも確かです。
稽古中には厳しくしている事があります。
技の練習中に、「悪ふざけ」をしている子供に対しては烈火のごとく叱ります。
勿論、年齢的な配慮もしつつですし、叱ると同時に「何故なのか。」もちゃんとその子供には説明もしますが、ようは、一生懸命に稽古をしようとする他の子供に悪影響を与えてしまうからなんですね。
例えば、新しく入会して来た子供が「あの子が遊んでるなら私もいいのかな?」と思ってしまったりしてしまうと、それはもう合気道の稽古ではなくなりますし、そもそも稽古では2人1組がほとんどですので、一方がふざけていると、懸命に技を覚えようとする相手の大切な時間を無駄にしてしまいます。
ですので、我々の事は二の次で、子供たち同士の影響にはしっかり対応するようにしています。
幸い、今では改善されていますし、ほとんどそのような事は無くなりました。
現代の子供たちの集団生活による影響力も加味しつつも、育って行く子供たち自身の考え方をより良いものにできるように合気道を通して導いてあげれる事が寛容であり、我々の願いでもあります。