一に受け身、二に受け身。

合気道の稽古についてですが、【受け身の練習3割】=【技の稽古7割】で進めていて、ほとんどが受け身を少し教えて、技の練習のような道場が多いように思います。

しかし私は、新たに入会してきた子供には徹底して受け身を教えます。

何故かといいますと、受け身が上達すれば、同時に技の上達への手助けになるからなんですね。

本来、合気道の(本当)技は、受ける側が我慢して無理に耐えてしまうと関節を痛めたり、受け身が未熟だと後頭部を打ち付けたりと怪我をする恐れがあります。

なので技をかけられた際、瞬時に反応して受け身を取れるようにしなければいけません。

その繰り返しで、反射神経も瞬発力など、ようは脳が体への伝達信号(瞬時の判断能力)が向上してきます。

だから、その反応の良い身体を持てるようになれば、当然比例して自ずと技が上達するのです。

しかし、いくらキレイな受け身が取れても、「投げられた、はい受け身を取れました。」の繰り返しだけでは、所謂、形だけの練習になってしまいます。

合気道は、「あらゆる面も想定して、身を守る術。」であるはずですので、「隙の無い鋭い受け身」を覚えなければいけません。

それには体が柔らかいだけではダメですし、必要に応じてその部位の筋肉が「バネ」になってくれないと、「隙の無い鋭い受け身」は完成しません。

子供たちの身体レベルに合わせながらの体づくりを推奨するのは、そのような意図があるからなんですね。

勿論、我々教える側がその受け身レベルに達していなければ、お手本を見せたりして教える事ができません。

年齢を重ねると老いと共に腰が伸びたり体が硬くなってしまい、ゆる~りとした受け身しか取れなくなってしまう人も居ますので、そうなると、自分の苦手意識からか、受け身の必要性もあまり考えなくなり技に先行してしまう稽古(技7割)になる理由はそこにあります。

子供特有の柔軟性のある体のうちに、しっかり受け身を覚えさせてあげて、そこから技の上達こそが、本物の稽古であり、怪我をしない稽古であり、子供たち自身の役立つ身体作りに繋がって行くのだと私は思います。

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