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5月, 2023の投稿を表示しています

感謝の心。

  私の空手時代の話を少し。 当時も今と同じように少年部や一般の指導をしていたのですが、大規模の空手流派でしたので稽古中は それはもう昔から厳格なルールで固められていました。 例えば、 礼を欠かす行為があった時点で即 退場させられたり、稽古をする事も見ることも許されず 道場の片隅で後ろを向いたまま終わるまで正座をさせたり、弟子の方 からの発言は一切タブーで、師から何か言われた際のみ「押忍!」での返事しかできません。 内心は厳し過ぎるかなとは思う時もありましたが、道場には50~80人くらい居ましたので統率を取らなければいけません。 では、合気道の話になりますが、少年部に至っては流石にそこまで厳しくはしていません。(笑) 厳格な雰囲気な武道道場と理想を掲げると切りがありませんし、基本楽しく、そこは気楽な感じでも良いと思います。 但し、やはり武道の道場として【礼に始まり礼に終わる。】最低限のマナーは、そこは守らせるべきとも思います。 本来であれば、道場に入場す前に一礼、先生が居た時は真っ先に挨拶、そして同じ仲間達へ挨拶、稽古が終われば「ありがとうございます。」と一礼などなど、それが暗黙のルールで理想なのですが、残念ながらまだまだ全体には浸透されてないのも確かです。 挨拶なども強制でやらせると「やらされている感」で、自発的にしなければ意味がありませんし、以前にも書きましたが、現代の子供たちは我々の子供の頃とは感性が違います。 もう一つ理由がありまして、実は一般会員でもそのような礼儀は殆どできていません。 (大人ができていないのに、何故、僕たち(私たち)がしないといけないの?) 子供たちから思えば、当然そうなります。 中には、例え有段者でも言動が相手に対し失礼極まりない人も居ます。 (合気道で何を学んできたの?)と、私でさえも憤りを感じます。 大人になると生活環境で人格形成が既に出来上がってしまいますし、その手の人は自分では気が付いていない場合が殆どですので仕方無いのですが、道場内と言うより最低限の人間同士の礼儀を弁えるべきで、【我】を発散したけれは稽古外でしてもらいたいものです。 「仕方ない。」との話になりましたが、では子供たちにもそれで済ませるのか?となりますが、決して同じような【我】が先行するような無礼な大人にはなって欲しくありません。 保護者の皆さまも同じ考え...

今と昔の子供たちの違い。

現代の子どもたち室内で遊びが中心で、 外で走り回る時間はぐっと減ってきているようですね。 「うちの子、体力ないな」と気づくことも少なくないのだとか。 自宅のみならず、幼稚園や保育園で他の子とのかかわりをみて気づくパターンもあるようですが、体力以外に遊び方にも課題があるようです。 【昔】 鬼ごっこ、木登り、縄跳び、だるまさん、馬飛び、ビー玉、メンコ、駆けっこ、etc. 性別の違ったグループ。 自然が相手なので時には すりむいたり怪我をしたりする。 子供たち主体で遊び、 大人の出る幕はありませんでした。 【今】 MMO、オンライン・ゲームなどの室内での遊び。 少人数(同性、同年齢)での遊びが台頭。 空想世界なので痛みを感じる場面がありません。 プレイ時間や内容も大人がコントロールしなければなりません。 改めて比較すると、 これだけ違います。 そして学校での 学習指導要領も昔と違いますので改善されたりしましたが、同様に課題も指摘されています。 例えば、子供に「自由にしなさい。」と言うとします。 現代の子供たちにそれを言うと、【 思考がフリーズ】 してしまう傾向が見られるそうです。 そういえば【思考のフリーズ】についてですが、私の職場でもZ世代~の若者にも似たような傾向が見られます。 長期休暇があるとき、「休み中何をするの?」の質問に対し、「ん~・・・。特に・・・。」と言った感じの答えが返ってきます。 「 よし!釣りに行こう!そのためにアレをしてコレをして!」と計画を立ててワクワクしたものですが、そんな温度差も感じます。 合気道の稽古でも上記の内容に類似している面があります。 私が今の道場に来た頃の少年部では 【自由技】の稽古をやっていませんでした。 【自由技】というのは、1人が大体2~30本連続で技をして、それを全員一丸でローテーションする練習方法で【 日頃の稽古の結果】を本人に自由に技をさせることにより【自分がどこまで覚えていて、どこまで応用できるか?】と確認できる 上で非常に大切な練習方法です。 実際に子供たちに初めて自由技をさせてみますと、上記にある例のようにフリーズ状態でまったく動けず アタフタしていました。 しかしこれは子供たちが悪いわけではありません。 指導側の責任で、単調に合気道の技だけを教えることは簡単ですが、結局は「それだけ」なのです。 我々指導員は、保...

合気道の技と苦手意識。

合気道の技は、およそ2000~3000種類あると言われいます。 膨大な数がありますが、実際は大体20種類が基本になりますのでそこまではしません。(笑) そんな合気道の稽古では、まず指導員が模範となる技を見せて、その技を「真似る」事から始まります。 そして、それを何度も何度も繰り返します。 一回の稽古時間にも限りもありますので、人によっては説明が長過ぎたり、自分の技を延々と見せていたりと、学ぶ側の「真似る」時間を割いてしまう場合があります。 特に子供たち(少年部)では、この指導方法ではよろしくありません。 例えば、国語の授業があるとします。 黒板に「合気道」と書いて「ここはこうでハネはこう書いて~・・・。」と先生が長々延々と説明したり書いているところを見せるだけで、そこから真っ新なノートに「さぁ同じように書きなさい!」といきなり言っているようなものです。 合気道少年部の稽古を国語の授業に例えましたが、まずは筆や鉛筆の持ち方や書き方をチェックし、そこから点線が書いてあるノートを用意してあげること。 そしてその点線を「なぞってみましょう。」からさせるのが、子供たちには適切な稽古方法だと思います。 勉強なども苦手意識があったりすると嫌がりますし、難しい事ばかり長々と言って分からせようとする稽古も嫌がります。 時にはゲーム感覚だったり面白さを体感させてあげる創意工夫も必要ですし、真似る・動く事をさせる事によって、子供たちは「学ぶ」と同時に「慣れる」事になります。 「苦手意識」を無くす方法は、まずは慣れる事、そして慣れる為にはどうすればよいか?と工夫する。そんな繰り返しが子供たちの成長にも繋がって行くのではないでしょうか。 なぞってなぞって繰り返して鉛筆がどんどん減っていくように、道着もボロボロになっていくのが良い稽古が出来ている証拠なのだと私は思います。